スペイン語圏である中南米の行政官の方々が、日本への研修の目的は、地域経済開発のためです。地域経済開発とは、地域おこし、村おこしのことです。つまり、農産物直販所、道の駅、一村一品運動は途上国でも導入されつつあり、この手法を学ぶためです。
では、発展途上国の方々が、どうして研修にいらっしゃるかといいますと、貧富の格差、都市の地方との格差といった社会不安、経済不安の問題解決が大きな課題となっているからです。
そういった、国々の方々は、日本というのは、地域間格差を最小限に抑えながら、経済発展を成し遂げ、地域コミュニティの知恵を結集し、連帯感を強めることで、困難を乗り越え、公平な社会を築きあげたと考えているわけです。さらに、中南米諸国以外にも、東南アジア、中央アジアなど各国から同様の理由で研修に来ており、お隣の韓国やモンゴルからもおいでになったという話を聞きました。
日本は、工業やITなど世界のトップを争っていますが、農業に関してのノウハウも世界で有数のものだったのです。そうなのか、農業でもトップクラスなのかと気づきました。一畝毎に異なる野菜を栽培する多品種少量生産、地域でブランドを開発していこうとする考え方、道の駅などで消費者に直接販売するシステムは、地域住民が持続的に発展するための手法として、日本が世界に誇っていいものなんだと知りました。
私は、このことを日本のみなさんに知ってほしいと思います。素晴らしい国を築き上げてきたと、海外から見られていることを伝えていこうと思います。 足元を見れば、周囲が注目するノウハウは蓄積されています。それを開発していくためのお手伝いができればと考えています。 |