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NPOの運営15 (目標設定)
2011年7月1日
 
  NPOが目標設定をするときは、たぶん何を目標にしたらいいのか迷う場合が多いと思います。というのも、定款を読んでも、第1章 総則に記載してある「目的」とか「活動に係る事業の種類」の項をには、「~の啓発活動を行う」「~への情報提供をする」というような抽象的な文言が目立つわけです。目的に法律の条文がそのまま記載されている場合もあり、たぶん作ったNPO法人の方も理解不十分であることがうかがえます。


 私が、目標設定をするときは、目的を第三者が初めて読んで理解できるレベルにすること、そして「活動に係る事業の種類」にスポットをあてます。「事業の種類」を5W2Hで、できるだけ細分化していくわけです。いつ、誰に、何を、いくらでといった具合に、7項目を埋めていくと、しだいに具体化されていきますが、1回だけでは困難なので、これは繰り返し行う作業が必要です。

 そして、次の回に進捗状況をチェックしつつ、次月の目標を設定していきます。地味ですが、このようなことを継続していくと、驚くような成果が得られます。継続が王道であると実感するのです。
 
NPOの運営16 (ミッションの到達点)
2011年7月2日
 
  事業資金開発セミナーを開催して、最初の回には必ずミッションとその到達点を発表していただくことにしています。多くのNPOは社会的問題解決を行うことで設立はされているものの、問題を解決するということだけで、どのような社会になったときが理想の状態であるのかは不明確な場合が多いのです。

 この質問されると、これまで思考の外にあった事項ですから、考えてみたことなどなかったというのが現実です。しかし、これを不明確にしておくと共感をよびにくく、実行プランもあやふやになってしまいます。

 ミッションの到達点の例をあげてみますと、先日紹介した「衣サイクル研究会」の場合は、次のようになります。

①ミッション→衣料の廃棄物をなくし、地球環境に貢献する。
②到達点 →家庭のタンスの中は必要な衣服だけにする。衣料から排出されるCO2をゼロにする。

特に。②の前半のタンスの中は必要な衣服だけにするというのは、非常にイメージしやすく、これが達成されたら、結果的にCO2の排出もゼロになるということがわかります。そして、実行プランもイメージされてくるのです。
 
NPOの運営17 (グループのイメージ化)
2011年7月3日
 
 よくNPOには、組織は不要、組織化すると会社のようになってしまうという意見を聞きます。たぶん、対象とする組織は軍隊組織のように上下関係が明確で、トップダウンで何でも動いていく組織をイメージされていると思います。NPOの場合はフラットで、公平な関係をたいせつにしますから、当然軍隊式をイメージするライン組織は不向きであるのはわかります。しかし、どのような組織がいいのですかとヒアリングすれば、多くのNPOは返答に困るでしょう。

 組織という表現が不適切であればグループ化と言ってもいいです。この理想のグループ化を実現させるためには、やはりミッションの到達点をイメージしておくことが重要だと思います。あまりはっきり到達点を表現すると、見解が異なる人が離れてしまうと懸念される場合もありますが、それだけ絞り込まれますから、将来的には円滑に運営できるだろうと考えられます。

 さて、ミッションの到達点というのはイメージしにくく、理想のグループ化も順次はっきりしていくわけですが、やはり、日常的に将来像を考えて話し合っていく必要性は非常に高いと思います。
 
NPOの運営18 (マネをする)
2011年7月4日
 
 NPOが企業組織を別扱いにし、マネジメント手法はあいにくいというのは理解はできるのですが、企業は、長い年月をかけて組織やマネジメントについて考え、試行錯誤を繰り返しているのに加えて、NPOはこれから考えるという段階です。どの法人も、あちこちにぶつかりながら、自分たちの正解を作っていくことになるでしょう。

 そこで、NPO側も、企業組織やマネジメント手法をマネしたらどうかと思います。要するに、現状のNPOの中では、手本とすべき前例が非常に少ないので、理想の到達点もイメージしにくいわけです。

 企業であっても、社会のために奉仕したいということで、CSRなどに取り組み、フラットな組織体制など、NPO以上にNPOらしい企業はいくらでもあります。そういったところの情報をネットなどで調査し、近ければ見学に行くなどすれば、参考になる点はいくつでもあるでしょう。

  マネをしているうちに、ここはこうしたほうがいい、修正すればもっとNPOらしくなれるというポイントは見つかりますから、到達点への道のりは短縮されるでしょう。企業とともに二人三脚のほうが、よりよい社会をつくるための最短コースと思われます。
 
NPOの運営19 (欧米との比較)
2011年7月5日
 
 NPO関係者の方と、いろいろな話をしていて欧米のNPOとの比較となりました。欧米といっても、特にイギリスの場合は、貴族のチャリティーから発展しているらしく、はたまた合衆国のNPOは完全な市民運動から広がっていったということです。

 ドラッカーは、企業はNPOの活動を研究し、経営に取り入れていくようにと提唱しています。合衆国のNPOが市民運動から発展したということですから、ミッション(使命)は非常にはっきりしており、「~のために支援活動を行い、このような社会にする」という文言は明確になります。したがって寄付を依頼する場合も、非常に自信を持ってお願いできるわけです。  

 さて、日本の場合はどうかといいますと、市民運動でありながら、どうもイギリス流のチャリティの精神で活動しているケースが多いようです。つまりは慈善活動です。したがって、ミッションを明確にしてくださいとお願いしても、慈善活動という認識なので、やはりイマイチ強く表現することが難しいですし、慈善なのに寄付をお願いしてもいいのかしらという気持ちが先になるため、どうしても及び腰になりがちです。  

 次回の事業資金開発セミナーでは、このあたりを調査して、米国型のNPOを目指そうと、よりはっきりと説明したいと思います。
 
NPOの運営20(まとめ)
2011年7月6日
 
 

これまでは、私がまつやまNPOサポートセンターで開催される事業資金調達セミナーで、参加者に最初に考えていただくことを説明いたしました。中間でまとめておきますと次のようになります。企業とは似ているようで、戦略は全く異なってくることがわかります。

  1. NPOとしての存在分野が明確です。
    企業でもできない、行政でもできない分野を担っています。そこを文章化します。
  2. 事業資金調達方法が明確
    これは次回から説明します。
    多様な資金調達方法があります。
  3. 定款はきっちり守られているでしょうか。
    合議制組織です。
  4. 非営利の意味を理解しているでしょうか。
    人件費不要と書かれている書籍はないと思います。
    少なくとも私は見たことがないです。
  5. NPOとしてのブランド化(約束を守る)
    消費者や支援対象者への約束を明確にして守っているでしょうか。
  6. ボランティアというのは、どういう存在かを理解できていますか。
    チャリティと市民運動とは違います。

この7項目を理解して、資金調達手法へ進みたいと思います。

 
 
   
     
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